たまご





夕方になったけれど彼女は現れなかった。


たまごは相変わらず、僕のベッドの中にある。


僕はカーテンを全て締め切ったリビングのソファで、ただ膝を抱えて彼女が現れるのを待った。


転がった瓶も、汚れた床もそのままだった。



だって彼女はいない。


僕の中は、彼女がいない不安でいっぱいだった。