朝起きたら、彼女がたまごになっていた。 ゆうべ、僕の隣で静かに眠りについたはずなのに。 彼女は、白くて小さなたまごになっていた。 それはきっと、何か彼女の、たちの悪い冗談。 だから僕は、たまごを隣に置いたまま寝たふりをした。 どうせ今日は、僕も彼女も仕事は休みだ。 早起きする必要もなかった。 その内 「いい加減に起きてよ」 と、彼女がうんざりした顔で僕を起こしにやってくるだろう。