目の前に置かれた缶は汗をかき始めて、雫がテーブルに垂れてる。


同じコーヒーを飲んでいた先生は突然



「はぁ~カフェインサイコー。」



そう言うから思わず笑ってしまった。


噴出した私を見て先生はフッと笑う。




もしかして


…先生なりに

気を遣ってくれてるの?



「コーヒー飲まないの?
旨いよ。」



そう言う先生になぜかかムッとして



「コーヒー嫌い。」



そう答えた。
ホント嫌いだし。



「可愛くねぇな。」



先生は笑いながらそう言って書類に視線を戻した。



怖く無かったと言えば嘘になる

先生が来てくれなかったらヤバかったし

ありがとうって思ってますよ

素直に言わない私もだけど

でも先生も意外と不器用だね

"D"だって完璧じゃない


そう思ったらなんか笑えた



「でも今日は飲もっかな。
コーヒー!ありがとうセンセッ!」



私はコーヒーをグイッと喉に流し込んだ。




苦味がやっぱりダメでむせたけど



今まで飲んだ中で

一番優しい味のするコーヒーだった。