私はしっかり"D"を見つめ



「もう気持ちの整理はついたので、問題ありません。」



そう言い切る。



「ふ~ん…
じゃあ楽しみにしてるよ。」



先生は口元だけ笑い目線を私に上げ一言だけ言った。



「失礼します。」



私はズカズカ数学科室を出る。


バタンとしまったドアの中から



「まだまだ青いな…。」



先生の声が微かに聞えた。




…絶対聞える様に言ったし


言うなら聞えない様に言ったら良いのに!!


S男!ドS男!

いい大人の癖に~!!!!

もぅすんごく悔しい!!!





っとイラッとして廊下をドスドス歩く私の足音を

先生が部屋の中で聞いて


ぷっ…っと穏やかな表情で笑っていたのを


私は一生知る事はないだろうな。