「あなたは…?」



私は小さな声で、恐る恐るカーテンの向こうの人影に問い掛ける。



「ふっ…」



彼は笑って、そのシルエットは保健室のドアの方に向って歩きだし



ガラガラ…



部屋を出て行く。



「待って!!」



私は慌ててベットから下りて、追いかけた。



ドアを開けて廊下に出たけど、もう誰も居ない。



遠くから養護の先生が書類を持って歩いてきて


立ち尽くして居る私に



「あら、上履きも履かないでどうしたの?」



不思議そうに聞く。



「いえ…。」



言葉を詰まらす私に先生は



「顔色さっきよりも良くないわ。
もぅ少し寝たら?
それとも早退する?
するならえっと2年A組の……。」



……?



「…笠原先生です。」


「そうそう!笠原先生!
伝えるけど、どうする?」


「あっ…もぅ少し休んでみます。
…あの…先生?
もしかしたら、笠原先生って最近赴任されて来たんですか?」



前から居たなら、名前が出ないなんておかしい


そう思った私はそれとなく聞いてみる。


最近来たなら


やっぱり先生が"D"?