「はぁ~楽しかったぁ~。
あ、髪グチャグチャだし。」


クラブを出る前に美香先輩に行こうと言われて寄った女子トイレ。


鏡の前で美香先輩が毛繕いをしてる。


そんなに微妙な毛の向きなんて誰も気にしないんじゃ?

ってゆうか、風ふいたらすぐ向き変るしそこまで完璧にする意味あるんですか?


…まぁ別に良いんだけど


一生懸命に髪を気にする美香先輩の横で手を洗い乾かした私は



「先出てますね。」



美香先輩と2人の空間が嫌過ぎてトイレの出口に向う。



「雫ちゃんさぁ、やっぱりズルイよね。」



後ろから美香先輩の皮肉めた声が聞こえて、私は立ち止まり振り返る。



「颯太と付き合いながら、明に手ださないでよ。
友達の為に振ったんでしょ?明の事。
その程度の好きのクセにさ、気紛れかなんか知らないけどひっかき回さないでよね。
コレ以上邪魔するなら、私容赦しないから。」



キッっと私を睨み付けそう言った美香先輩は私の横をすり抜け、カツカツとヒールを鳴らしてトイレから出て行った。