オサナナジミ



帰りの電車ではみんな疲れたのか寝ていた


アタシはなんか知らないけど眠れなかった


ずっと変わっていく景色を見ていた


一昨日からあんま寝てなくて疲れてるはずなのに、なぜか寝る気がしない


結局向こうに着くまで一睡もしなかった


-ピーンポーンパーンポーン


車内放送が流れ、見慣れた駅に着く


見飽きたでも当てはまっているかな?


駅を出てちょっと話をして帰った


といってもアタシは健人と同じ区に住んでるから一緒なんだけどね


『はやかったねー』


「楽しい時間ってすぐ過ぎちゃうよな」


行きよりも帰りのほうが荷物が重く感じる


体もなまりのように重い


「ねぇ未穂はさ、誰か好きになったことってある?」


『何?突然』


「好きになったことある?」


真剣な顔して訊いてくる


『ある・・かな?』


つい嘘を言ってしまった


男子なんてつい最近まで全然意識してなかったのに


「人が人を好きになるってすごいことだと思わない?出会うだけでも奇跡だっていうのに惹かれるなんてさ。そんで両思いになれるのは本当に運命だよな」


健人の顔が見れない


嘘をついたってこともあるけど、なんか気恥ずかしくて