オサナナジミ



8月8日


「未穂ー早く!電車出ちゃうよ!!」


その台詞どっかで聞いたような


『待ってよーあともうちょっと』


荷物をまとめてホテルを出る


楽しかった・・と思う旅行はもう終わりだ


名残惜しく海を見つめる


「何シケた面してんの?」


健人がアタシの帽子をとった


『あっという間だったなーって思っただけ』


身長差が大きいからか、なかなか帽子を取り返せない


「本当ちっちぇーな」


なんて言いながら帽子をアタシの頭の上に置く


『そこまでちっちゃくないし。健人がデカ過ぎるんだよ』


アタシは背が高いほうではない


かと言ってそんなに小さい訳ではない


なのにいつも健人はチビってバカにしてくる


確かに健人はアタシよりけっこう背が高い


話すのには見上げなくてはならない


『健人2メートルくらいあるんじゃないの?』


「あははっじゃあ未穂は7センチくらい?」


7センチ?


あまりにも小さすぎるでしょ


『アタシこんくらいですか?』


手でだいたいの大きさを作る