オサナナジミ



『暑いと少ししか歩いてなくても疲れるの!』


健人はフンっと鼻で笑った。


「疲れたの?体力は男子顔負けなのに」


うるさいって言いたいトコだけど、もうそんな気力ないよー。


暑い゛ー。


「未穂ー背中に手ぇ届かないから、日焼け止め塗ってー」


こっちのことなんかお構いなし・・。


と思いつつも、行ってしまう。


つまり断れないってこと。


この性格どーにかなんないかな?


『よしっと。塗り終わったよー』


「ありがとー。じゃあ、未穂は健人クンと一緒に荷物番してて?アタシは蓮と一緒に泳ぎに行くから!」


小声でアタシに言い、蓮クンと2人で行ってしまった。


『はぁー』


「今度は何?」


呆れたように健人が訊いてくる。


『別にー。彼氏いていいな~て思っただけですよ。』


嫌味っぽく言った。


案の定、眉をしかめてアタシを見た。


『何か?』


「いやさ、未穂はなんで彼氏欲しいって言ってるのに告白とか断るのかなーと思って」


『言うほどされてないし。そりゃ好きでもない人となんか付き合いたくないからだよ』


アタシにしては珍しく普通の答えだった。


いつもだったら、運命の王子様が現れないからとか言うところなんだけどね。


もう冗談も言えないよ。