オサナナジミ


「・・・ども。胡桃の彼氏の蓮です」


やっと聞こえるくらいの小さな声だった。


さっきまであんなに元気だったのに。


「ごめーん!メイクに時間かかっちゃった」


胡桃が息をきらしながら店に入ってきた。


『遅い!』


「ごめんごめん。早く電車乗ろ!間に合わないー」


誰のせいだと思ってんのよ。


『じゃあ行こっか』


切符を買って電車に乗る。


「間に合ってよかったぁ」


『随分遅かったけど何してたの?』


遅刻魔め。


「だーかーらーメイクしてたんだってば!」


『それにしたってさー。寝坊??』


「な訳なじゃん!メイクにけっこう時間かけたからさぁ。時計みたらもう7時15分だったの。ねぇねぇその甲斐あって今日のウチ綺麗でしょ?」


はっきり言うとケバイけどそんなこと言っちゃいけないんだよね。


『うん綺麗だよ!でもその髪どうしたの?』


胡桃の髪はなんか盛ってるって言うよりは寝グセみたいだ。


「ぎゃあ!!何これ?!」


鏡に映る自分の姿にショックを受けている。


「メイクに時間かけすぎてそれ以外がヤバイわ・・」


『ワックスあるから髪しばろ?それに服は超かわいいし』


「ありがとー」