「うん。俺もずっと電車で坂下のこと見てたよ。」 言った瞬間、藤谷くんにきつく抱きしめられた。 大粒の涙が流れる。 夢なのかな。 彼も私を見ていたなんて。彼と私は、同じ気持ちなんて。 神様、これからどんなにつらいことが起こってもいいから、彼の言葉を嘘だと言わないで。 これが本当に最後のわがままです。 「ずっと…ずっと好きでした」 泣きすぎて、あまり声にならなかったけど、自分の思いだけは藤谷くんに伝えたかった。 好き、好き、好き。