トンビが空を風に揺られて飛んでいる。 後ろの先輩を微かに見て、赤信号をきつく睨む。 早く、早く。 急かす気持ちは一層睨む目先に集中する。 「あ、ひかりぃ!」 もう終わったぁ…。 諦めて振り向くと、バドミントン部に所属している人気を妬む、真矢先輩と、同じバドミントン部に所属する物静かな弥生先輩が笑顔で手を左右に振っていた。 「あ、こんにちは。」 今気付きました、とでも言いそうな反応で先輩に笑顔を向けた。