その瞬間に涙がブワッと溢れた。 「い、や…」 「ああ?」 いつも抵抗しないあたしが 初めて抵抗した。 体が震える。 『莢架!!』 ケータイから聞こえる瑠威の声。 あたしはまた投げ出すの? 逃げるの? 助けを待つだけ? いやだ。 そんなのいやだよ。 驚いて止まっているアイツ。 もう傷つきたくない──…っ