─不良が愛した女の子─




「別に無理に帰ろって
言ってるんじゃない」



「わかってる。
お風呂にも入らなきゃだし、帰るよ」



莢架がそう言って立ち上がると



「え〜っ、莢架帰っちゃうの?」



と大樹が拗ねる。



「ありがとう、大樹」



「…うん」



莢架は無理をしている。



見れば誰だってわかるだろう。