─不良が愛した女の子─




「莢架、家に帰らなくていいのか?」



また莢架が取り乱すかも知れない。



そう思ったけどこのままじゃダメだと
思ったから聞いてみた。



「今日は幸い、土曜日だったけど
明後日からは学校だろ」



「……」



黙り込む莢架に
俺はまた話しかけようとした。



「莢…っ」



「帰ります」



即答した莢架だけど
体は震えていた。