──────────…… ─────────…… 一時間くらいすると 階段から足音が聞こえた。 やばい。 そう思って階段を見ると やっぱり莢架だった。 目からは涙が流れてる。 「瑠威…」 弱々しい莢架の声。 「莢架、おいで」 莢架は俺にくっつくと 服をギュッと握った。 「…そばから離れちゃいや…」 「ああ、悪かった」 情緒不安定な莢架は 寝起きに誰もいないと 恐怖心に駆られる。