─不良が愛した女の子─

「莢架…今まで一緒にいたのに…っ
何もできなくて…っ…
ごめんなさい」



そう言って亜朱佳も涙を流した。



違うよ…



違うよ、亜朱佳。



あたしは亜朱佳がいなきゃ
こんなに強くなれなかった。



「違う…違うよ、亜朱佳」



「本当はね…いつも思ってた。
いつか莢架が本気で信じられる人が
現れたらいいなって」



亜朱佳…



ごめん。



「ても…っ
あたしも救いたかった。
莢架の今までを一番見てきたのは
あたしだったから…
でも…どうしてできなくて…っ」



亜朱佳の体は震えてた。