きっと俺の知らないところで
莢架はいっぱい苦しんできた。



"叶"



その名前が頭から離れなかったが
叶ってやつの名前を出したら
莢架がまた取り乱すと思って
俺はとりあえず言わないことにした。



「莢架…大丈夫か?」



「…ん」



「……」



頷く莢架に安心した。



「学校…行くか?」



「…うん」



莢架は返事をすると
すぐに準備を始めた。