「…のにね」
絞り出したあたしの声に大樹は
「ん?」
と返した。
「本当のこと知らないくせにね」
あたしの言葉に大樹は目を見開いた。
あたしだって大嫌い。
本当のこと知らないくせに。
知ってるように
当たり前みたいに
わかったような目をして
決めつけた目。
あたしだって大嫌いだよ。
今まで心で叫んできた。
本当のあたしを見て。
真っ直ぐに見て。
目を逸らさないで。
「あたしは本当の大樹たちを知りたい」
あたしはそんな人たちになりたくない。
人の本当の優しさを知りたい。
だから
真っ直ぐに
逸らさずに
見ていくよ。

