サンクトペテルブルクの夜明けーーリスカ男の願い

「銃で撃たれたって、本当なの?」

「見ますか?」

俺が腕まくりをしようとしたら、

母は首を振った。

「いらないわ。

で、あなたは何をしに来たの?」

すでに母は

本題に入りたがっているようだった。

「この大学に、ですか?」

「そうよ。突然転学だなんて」