サンクトペテルブルクの夜明けーーリスカ男の願い

ふと目に入ったのはマトリョーシカ。

誰が持ってきたのか、

机の上に置いてある。

「ロ、ロシアなんてどうでしょう?」

「ロシアかー。いいねー。

南の島とか、ありきたりだもんね。

よーし、スケジュール合わせてみるね」

編集長は意気揚々と去っていった。

私はため息をついた。