「お父さん、病気とかじゃないといいけど・・・。」

姫子は元気のない父を心配する。
兄の和男が仕事をせず、家にひきこもっていることも、少なからず影響してるだろうと姫子は思う。


だからと言って、働かない和男を腹立たしく思ったりする気持ちはない。
和男には和男なりの事情があっての、今の状況なんだと思う。
せっかく就職した会社を辞めざるを得なくなった和男が、可哀想だとも思う。

しかし、7人家族の暮らしを保つために、今まで以上に徹の肩に負担がかかっている。

徹は毎日、夜中まで仕事をして家に帰ってくる。
さらに土日も出張のことも多い。ほとんど仕事漬けの日々である。

姫子は父の事とは別に、徹の体のことを本気で心配している。

学校のある駅に電車が着く直前、姫子は再び携帯を取り出し、徹にメールを送った。

『徹兄さん、今日もお仕事がんばってね!

姫も学校がんばるよ。

からだ大丈夫?無理しないでね。

姫は心配だよ。






それから、







今度は、いつデートしてくれるの?』