和男は夢を見た。



夏の夕暮れの日差しが差し込むリビングにいた。

みんな笑顔だった。

幼い広幸が、不思議な発言をして、みんなを笑わせた。

父と母は、そんな孫を可愛くて仕方がないといった様子で微笑ましく見つめている。


徹兄さんが、小遣いの金額を上げてくれと、姉さんに頼んでいる。
姉さんは、飲みに行き過ぎだとあしらい、父さんが誘うからだと、矛先を父さんに向けた。

それに、そうだそうだ、と母さんが乗っかったので、和男も同調し、そうだそうだと大声をあげたら、父さんに叱られた。

それでまた家中に笑いが響いた。


楽しい夕食のひとときの夢を和男は見ていた。