「けどな、いつか宇宙旅行とか当たり前の 世界になるかもしれへんやん。 そいだら宇宙飛行士やなくても行けるで、 月も、他ん星も」 「気が遠い話…」 「そしたらさ、」 「ん、?」 「一緒にしよ、月面着陸」 握られた右手は、 さっきまで彼が食べてたクリームパンで 少しべたついた。 お腹の辺りがじんわり熱くて、 アンパンが消化されてるんやと思う。