「おぉ、もしかして今電話した?」
「…うん」

「そか。バイト終わったんやな。お疲れさん」



いくら春とはいえ、
まだ夜は少し肌寒いし。

しかもこんな時間に、
こない何もないとこで暇もろくに潰せへんし。




なのに彼の左手に握られてる牛乳プリンの入ったビニール袋は、あたしが数時間前に見たのと全く一緒で。





「ずっと、待ってたん…?」

「いや…ほんまは一回帰ろうと思てん。でも家帰っても暇やし、ここらへん外灯少なくて帰り危ないしやな……っんわ」



ぺたり、とほっぺたに手を触れたら、
彼はびっくりして変な声を上げた。

その奇声に「変な声上げてもうた」
と自分で笑って。




もう、



なんで、なんで、なんで。