「じゃ、バイト、残り頑張りや」
「がんばるからおとなしゅう家で
待っててや?」
「うん、待ってる。ずっと待ってる」
無邪気に笑いながら言われて、
うっかりときめいた。
これ無意識なん…卑怯や。
カア、と赤くなる顔を見られたくなくて
「さっさと帰れ」と彼に
出てくよう促した。(我ながら可愛くない)
それから暫くしてもう一人
バイトの学生が来て、
夜のコンビニなんてよっぽどやることもなく
暇を持て余したまま時間になり、
あたしは上がった。
(これで深夜手当て言うて
時給もそこそこええねんから得した気分や)
帰り道。携帯を開き、
着信履歴から彼の名前を拾う。
ほんまに寝んでずっと待ってたりして。
あの人ならやりそう。

