~Snow White~『一巻』

「こら・・・」


声がして私はまわりをキョロキョロ
見まわした。


空耳?

「こら。」

もう一度声がした。

後ろを振り返ると、智久が
立っていた。


「あ・・・・」
私は言葉が出ずに立ちすくんだ。


「地下鉄まで一緒に行こう。」
智久は歩き出した。


「車・・・・」


「ああ、俺はさ社長の親戚の前に
新入社員だからさ
あんまり目立つことはしたくない。」

だからここにいるんだ・・・


「雪湖・・・・」

なまえを呼ばれて驚いた。