~Snow White~『一巻』

玄関を出たらちょうど伯父が
出社した。
たぶん智久と真冬を連れて。


私は、歩き出した。


朝のことをあれこれ考えながら
ため息をついた。


私だって使いたい・・・・
姉妹が新しいものを買ってもらうのを
いつも見つめていた。


携帯電話のアドレスを教えて
真冬は智久にまとわりついていた。


「おまえらには教えない。
仕事の電話とかに支障があるから。」


「ケチ!!おとうさま知ってるんでしょ?」


「困るな~
俺にふられても・・・・」


「公私混同はしないから。」

きっぱりと真冬を拒否した。
真冬は
泣きそうな顔で母に飛びついた。