「旦那様とおくさまにお礼を言うんだよ。」

「はい。」
学校に通わせてもらえるだけ
感謝しなさい
住むところを与えてもらえるだけでも
感謝しなさい


ミツはそう言い続ける。


ミツの言葉の矢は時より
私を刺すけれど
ここでの生活に必要以上を望むな


そう教えてくれているようで
感謝していた。


望むから絶望して
人生を恨んでいく・・・・


望むな・・・
望むな・・・


伯父と叔母は真冬の制服姿に
目を細めていた。