~Snow White~『一巻』

クローゼットから
初めて買ってもらった
白いワンピースを出して
テーブルにエプロンと一緒に並べた。


白いエプロンと一緒に
震える指で
線を引いた。


もう二度と着れないと・・・・


キレイにたたんで
テーブルの上においた。
それから、宝物スペースを片付けた。
あの日の桜貝も一緒においた。



「夢を見させてくれて
ありがとう・・・・・」



きれいに片づいた部屋を見渡す。



「バイバイ・・・」

何度もここで甘い時を過ごした。
智久の愛の言葉で
心を熱くした・・・・


キス・・・・
唇の触れあう音がする



でもキスだけじゃ
男も女の幸せになれないんだ
大人になると・・・・・


そう思ったら
ベットの上で絡み合う
智久と華が浮かび上がった。


「真っ白いままの雪湖じゃ・・・
だめなんだね・・・・・」


思い出に頭をさげた・・・・・
カギをかけて・・・
新聞受けに一呼吸してから落とす


「エンド・・・・」
マンションを何度も振り返って
地下鉄の入り口に入った・・・・・。