～Snow White～『一巻』

白いエプロンをつけ
部屋の掃除をした。

可愛いエプロンは
智久と一緒の時
つけようと思っていたけど

最後になってしまった。


掃除をしてる間も私はずっと
泣きっぱなしだった。



洗濯をして、食器を洗い
掃除機をかけた時は大きな声を
あげて泣いた・・・・・。


もうここに来ることはないだろう


スーツやワイシャツ
ハンカチにアイロンをかけて

靴をピカピカに
磨きあげた。

手に靴墨がついていたのを
知らずにエプロンを触ったら
黒い線がついて

私はしゃがみこんだ。



私の心と同じ・・・・・
智久だけを愛してた
真っ白な心が
黒い線で引き裂かれた気がした。


「ママ・・・・
もう雪湖の心は真っ白では
いられないみたい・・・・・。
ママのように幸せにはなれないのかな。
ママとパパはこんなふうに
引き裂かれなくてよかったね。」


そう呟いて
また泣き伏した。