いつもの稔に戻って
若い頃の話をしてくれた。


そこにはいつも
妹の存在を感じる


兄妹を超えたものが
そこにはあるような気がした。


「このままここに泊っていきなさい。」


「私は違う部屋をとるから。」



「いいえ…そんな……
帰りますから……」


「帰ったって君を待ってる人は
いないんだろう?
美春さんが教えてくれた。
君はひとりぼっちだと・・・・」



智久がいてくれたら
一人じゃないけど・・・

今は一人って気分だった。


「かわいそうに・・・・・
君はいつまでそんなところにいるんだい?」


稔の声が優しく響く