智久に会えないこの家は
ただの眠るところだった。

夕食を作っても
朝食を作っても

愛する人の口には入らない。



智久がいないだけで
私の人生なんて灰色に変わって行く



三学期に入って
真冬の帰りが遅くなり始めた。


伯母が心配していた。

今日も10時を回ってから
帰ってきた。


「真冬、どうしてこんなに
遅いの?」


「友達のとこ・・・」



「友達って・・・誰なの?                                              


「おかあさまの知らない人。」


そのまま二階にあがっていく                           真冬ももがいている
結ばれない人を想いながら・・・・