「先生からもちゃんと話すよ。
傷つけてごめんね。」


悪ガキの母親は肉付きのいい手で
私の手を握った。

「悲しい思いしてきたのに
こんなひどいことして
ほんとにごめんなさい。」


まあるい体をもっと
まあるくして
私を抱きしめてくれた。


「おばさんが好きになったから
許してあげます。」


温かいふくよかな胸に
抱かれて気持ちよくなった。


悪ガキ
堤下 恭吾
母親 一佐 は
私の人生の中でこれから
重要な心のよりどころになっていく……