「利香…行こうか?」

いつまでも動かない母を
父が抱きしめた。

「幸せだったわ・・・・・。
ねぇ?このアイスバーグは
誰がお世話してくれるのかしら……
来年はいつものように
美しく咲いてくれるかしら……」

「きっと咲いてくれるさ。
春がきっと・・・優しい日差しで
俺たちのアイスバーグを
いつものように美しく咲かせてくれる。」


二人はとても幸せそうで
私はやきもちを焼いて
母の腰に抱きついた。


父と母は私の顔をにっこりと
見つめた。


大好きな父
大好きな母
大好きな家…
そしてアイスバーグの咲く美しい庭…