幸せだった私に黒い雲が近づいてきたのは
札幌の街が銀世界に変わった頃


「美春、ちょっと・・・」


私が学校から戻ると
美春がバタバタ走りまわっている。


その後ろを伯母がオロオロ
追いかける。



「おとうさまが戻るまで待ちなさい。」


「無理よ。きっと叱られる。」


「話し合いましょうよ。」



「裏切り者の彼との仲を
許すわけがない。」



「今、トモも帰ってくるからね?
美春?落ち着いて・・・・」



私は緊張しながら
夕飯の支度をした。


何かがおこるようなそんな気がする。