~Snow White~『一巻』

「はい?聞こえない~」


「トモ。」


「何?」


「アイシテル・・・・・」


大胆な言葉を発してしまって
うつむいた。


「男から言う言葉だぞ・・・・
先によくも言ったな~~」


そう言ってまた唇が触れる。


今度は何度も何度も
触れてはおでこを合わせた。


「かわいいよ・・・・
雪湖・・・・
あの日からずっと俺の心には
おまえが住みついていた・・・・。
ずっとずっと・・・・
待っていた・・・・・
雪湖とこうなる日を・・・・・」



「私も・・・王子さまとの約束を
守っていたらまた会えるって
信じてた。
それが・・・あなただったなんて…」


感激の涙が流れた。

「雪湖が俺の前で見せる涙が
いつもうれし涙であってくれたらいいな。」


その時は、その意味を愛の言葉と思った。
でも智久はその時から
知っていたのかな・・・・
この恋は悲しい恋になること・・・・