~Snow White~『一巻』

「なくすなよ。」

そう言って何かのおまけの
キーホルダーについたカギをくれた。


「これ・・・・」


「いつでも自由に出入りしていいよ。」


夢のようだった。


「ほんと?」


「この城、雪湖にも半分貸してやる。
だけど絶対、ばれるなよ。」



「はい!!」
嬉しくてまた抱きついた。



「大好き!!大好き!!」



「バーカ!!大人をからかうんじゃない。」


「だって・・・
だって・・・・智久さんと
ふたりっきりでいつでも会えるなんて……」



「舌かむぞ。
いいよ、呼び捨てで・・・
でも二人の時だけだぞ。」



「トモ・・・」
恥ずかしかったけど呼んでみた。