~Snow White~『一巻』

高いところは足がすくむ。


なかなか近寄れない私に
「高いとこ苦手か?」


「怖い・・・です・・・」


昔父と母が崖から落ちたと知って
想像や夢で怖いのかもしれない。

智久が私の肩を抱いてくれた。


「ほら、中古だけど
あれ、俺の車~~」

駐車場にかすかに見える小さい車・・・・
私は智久に思わずすがりつきながら
下を見た。


「怖い・・・やっぱり・・・」

私は抱いてくれてる肩よりも
その高さにドキドキした。


吸い込まれそう・・・・
ここから飛んだらきっと死ぬって


怖がる私にハッとした様子で
智久が私を抱き上げて
部屋に入った。