~Snow White~『一巻』

7階のエレベーターが開いて
智久は慣れたようにその右側の
ドアをカギで開けて入った。


「どーぞ。」

まだ新しい匂いのするマンションだった。


「俺の城~~~」
智久はにこにこしながら
私を見て微笑む。


「城って!?」


リビングの窓からは外の風景が
一望できて
私は思わず駆け寄った。


「高くて怖いですね~~
ここって・・・智久さんの?」



「そ、このたび購入しました~」


「え?だって・・・・・」


「内緒だぞ?竜さんにも内緒なんだから。
ばれたらすぐ荒らされるだろう?」


「そうしたら引っ越しするの?」
私は急に不安になった。


「いずれ頃を見はらって~」


まだガランとした
部屋におかれたソファーに
私を座らせた。