~Snow White~『一巻』

「もしもし?」
怪訝な声の智久が出た。


「あ…雪湖です…
ごめんなさい仕事中に……
あの…お願いが合って……
今度の日曜日、両親のお墓参りに
あのワンピースが……着たいんです……」


そう話す途中で
お金がどんどん落ちる音がする。


「わかった。
今、外にいるのか?」


「はい、学校帰る途中です。」



「俺も今外にいるから
ちょっと会おうか。」
思いもかけない言葉に私はドキドキした。



地下鉄の途中の駅で
30分後待ち合わせした。


あの誕生日から
初めて二人で過ごせる・・・
嬉しくてたまらなかった。