私が部屋に入ると
伯父と智久が打ち合わせをしていた。

「今日、先生と会ってきた。」


「先生ですか?」


「就職したいってきかないとか?」

先生・・・ったら・・・


「おまえを引き取った時
全ての教育の面倒をみる約束をしている。
だから大学までは行かすつもりだ。
先生からも、大変勉強のできる子だから
ぜひ大学を目指させてくださいと
言われた。
就職っていうのは俺への当てつけか?」


智久も私を見ていた。

「いつまでもお世話になっては
いられないんじゃないかって……」


「そういう考えならいらない。
おまえは、このまま大学まで目指せ。
自由になるのはそれからだ。
もう行っていいぞ。」


伯父は冷たく言い放つ。


複雑だった。
就職は実は・・・自由になりたい
そんな当てつけそのものだった。