上を向くと和沙がいた



「…ひっく……和…ゴホゴホッはぁ…」



ごめんなさい…



ごめんなさい……



和沙から視線が離れない



「ったく…」



そう言って私を抱き上げた



「泣くな?そんなに痛かったのか??指…」



「違うの…ゴホ……和沙が忙しいのに…早く帰ってきてくれたのに……ゲホゲホ」



和沙のワイシャツに力が入らない手で必死に掴まる



「っはぁ……私…が強がったから…怒らせちゃったから………」



「…わかったから、落ち着け?」



優しくぎゅと抱き締めてくれた



「…はぁはぁ…んっはぁ…」



「桜羽が苦しそうにしてんの見てられない…」




「ごめ…んなさい…」



「うつるとかなんで、気にすんだよ」



「だって…うつったら、和沙が仕事おやすみしなくちゃいけなくなるから……」