そうだよね。優一君学校への行き方分からないんだ。
でも、何か昨日あんなことがあったから気まずい…

「俺の事言ってねぇみたいだな。まぁ、お前も秘密にしてることあるもんなぁ。」

え…何の事…もしかして…

「S・Hの事?」

「そ、俺の事バラしたら、ついでにお前の事もバラすからな?覚悟しろよ?」

そんな…お母さんだな…。「あ…あのさぁ…絶対にバラさないでよ?」

バラされたら私どうしたらいいか分からなくなるじゃん…
バラされたりしたら皆に嫌われたりして…

「あのさ…お前の母さんいっつもテレビ出てね?」

え…お母さん…あぁ!!

「だって私のお母さん女優さんだもん。知らない?桜木実羽でやってるんだよ?」

そ、私のお母さんは女優をやっている。本名は天美宮実羽。
ついでに言うと私のお父さんは有名パティシエの天美宮慎一。

そう、お父さんもお母さんも家にいないことがほとんど。
だから私は一人暮らしをしているのと変わらない。

「まじで!?俺、一緒に仕事した事あるわ。」

「そうなんだ。っていうか、もう学校着いたから私、行くね。じゃ。」

私は前を向いて校舎を目指して歩き出した時、後ろから腕を掴まれて、耳元で『放課後、図書室来いよ。』と囁かれた。

優一君は手を振りながら校舎に入って行った。

今、私ドキッとしなかった?いやいや、ンな訳ないよね。うん。気にするな私よ。