お母さんからあんなこと言われた私は、デザインなんて考えている場合じゃなかった。



だって、だって、私ですらまだ会ってないすっごい人なんだよ!?しかも
その人と暮らすなんてありえないでしょ!?




「ねぇ、何一人で言ってるの?凛華ちゃん。」




「考え事よ!デザイン書かなきゃいけないの。煩いから出て行って…って優…一…君?」



そう、あの有名人にそんなこと言っちゃった私。ヤバいね。





「お前、誰に向かってそんな口聞いてんだよ。この俺様にそんな事言うとはいい度胸だ。」




え…ちょっと待って…何か今、ものすご――――く口が悪くて低い声が聞こえたような…。




「返事しないのか?俺に何されても文句なしだぜ?」



やっぱり…この声の持ち主は…優一君。



っていうかこっちに近寄ってくるし…。




「や…あの…その…何で俺様?」



言っちゃったよ私…。優一君 眉を顰めながらこっちに来て、ついに私のまん前。




「いちいち煩せぇ。口を閉じろ。」



私は反射的に口を閉じ、優一君が手を上げたから目の瞑った。その時…なんか温かい物が唇に感じる。目を開けると綺麗な顔が私のまん前にある。キスだと気づくのに20秒。




「それで手を打ってやる。後、俺の栄格バラすんじゃねーぞ。」




………。キスされちゃった。




あの優一に…。何で?何で私が?




あり得ないよ――――――――。