「先生としては、の話」 先生は優しく微笑んで、私の頭にぽんと手を置いた。 「男としては、ありだと思う」 眼鏡の奥の優しい瞳を見つめながら、私はにこりと微笑んだ。 オレンジに染まっていく放課後の教室。 キスだって、デートだって。 そんな恋人みたいなこと、できなくていい。 採点を続ける先生の横顔を見つめながら、 この傍にいれるだけの穏やかな関係がずっと 続けばいいと願った。 end