「…そう?
ならお母さん、仕事に行くわね」
「うん、いってらっしゃい」
あたしはベッドから部屋を出るお母さんに手を振った。
…昔なら学校休んだら説教だったのに、1年以上も真面目に行ってると信用してくれるものなのね。
ベッドの中で、昨日の出来事を思い出した。
今思い出したけど………
あたし…、先輩に死にかけてたとこを助けてもらったんだよね。
間抜けなあたしが池にはまって溺死するところを、たまたま王子先輩が助けてくれたんだから。
また今度、ちゃんとお礼言わなきゃ。
…ヴァンパイアの先輩に。
きっと、最高のお礼の品はあたしの血だ。
この首筋の血管を流れる真っ赤な血………。
ヴァンパイアの大好物。
そんなに美味しいものかしら?
そりゃヴァンパイアにしか分かんないことだと思うけどさ。
ヴァンパイアなんて、なんかオカルトっぽい。
…というか、イマイチ現実味がない。
空想の世界の生き物で、あくまでファンタジーの世界って感じ。
そんなヴァンパイアが、本当にこの世に存在するだなんて…
しかも、こんなに身近な人が…

