あたし、結構演技うまいんだと自分でも踏んでるくらいだからね。
けど、徐々に化けの皮は剥がれていった。
そうそう同じ症状の風邪ばかり続くとは、とても思えないし。
だから、お母さんはあたしが仮病だと分かっていながら休ませていた。
過保護といえば、過保護だと思う。
…でも、ただ休ませていただけではなかった。
休むたびに説教された。
お父さんがあまりうるさく言わなかったのは、もう諦めていたからだと思う。
そんなあたしが、今は真面目に学校行ってんだからね。
しかも、もうそんな真面目に登校生活が1年以上続いてた。
お母さんはそれだけで満足そうな笑みを浮かべてた。
…周りからすれば、当たり前のことなのにね。
あたしからしたら、すごいことなんだもん。
…あ。
学校休んだこと、お母さんにメール打っとこう。
たぶん、怪しがりはしないと思う。
本当に、ここ最近はズル休みしてなかったから。
リビングのドアを開ける音が聞こえて、階段を昇る足音が聞こえる…
そして、やがてドアが開いた。
「楓、大丈夫なの?
学校休んだって………」

