先輩をヴァンパイアだと分かっているのに、好きになってしまいそうになる瞬間がある。
ふとした瞬間、身体の力がふっと抜けて胸が熱くなる………。
あたしはこんなところで恋に身を焦がして、油を売ってる暇はないんだ。
なんとしても、美里の言う運命の人に巡り逢わなきゃ………!
あの卒業式の日に美里を見た、不思議体験から数日後のことだった。
今亡きはずの美里からメールがきた。
…きっと、数日前に美里が現れたりしなかったら、あたしは腰を抜かして驚いていただろう。
だけど、もう見た後。
驚きはしなかった。
ただ、メールしてくれたことにジーンときただけ。
メールの内容はこうだった。
もし、あたしが運命の人に巡り逢うことができたら、また会いにくるって。
…それが、まだきてない。
少なくとも、王子先輩は運命の人じゃないからね。
今日、初めて逢ったわけでもあるまいし。
入学式の日から、ずっと知ってるもん。
王子先輩、名前通り学校の王子様だし。
有名人だもん。
知らないわけがないじゃない。
…だから、運命の人じゃないこの人を。

