その上目遣い、反則なんだってば!!!!!
「…まだいます………」
「ありがとう!」
ヴァンパイアって………
…ずるい。
嬉しそうな笑顔もかわいいし。
憂いある横顔もまたいいし。
ウルウル上目遣いされたら…、もう敵わない。
いっそ、あたしもヴァンパイアに生まれりゃよかったなぁ…。
「外出ない?
庭に薔薇があるんだ」
「薔薇ですか?」
「うん。とても綺麗な………
真っ赤な薔薇が」
薔薇かぁ………。
あたしの好きな花だ。
薔薇って綺麗でしょ?
ただかわいらしいお花より、昔から綺麗で棘のある薔薇が好き。
ただの綺麗事なんて、世の中に存在しないからね。
きっと、薔薇みたいに綺麗なものには棘がある。
…そういう観点で薔薇を見るあたしは………
昔からドライなところがあるのかな?
「是非、見せて頂けますか?」
「もちろん」
そうして、あたしたちは庭に出た。
少し歩いて、屋敷の角を曲がると…
「…綺麗………」
…真っ赤な薔薇が一面に広がっていた。
もう声も出ないほどに………

